【レビュー】映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、Queenの伝説のライブにタイムスリップさせてくれる良作

レビュー

日本でもかなり有名なQueenを取り扱った映画、『ボヘミアン・ラプソディ』。
なんとなく気になっていて、ちらっと映画.comの評価を見ると星4.5程(正確なところは覚えていない)で、星4を超えることが珍しいので俄然気になり、実際に見に行ってみた。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』オフィシャルサイト
映画『ボヘミアン・ラプソディ』オフィシャルサイト。2019年4月17日(水)ブルーレイ/DVDリリース&デジタル配信スタート。熱狂!感涙!喝采!!伝説のバンド<クイーン>の感動の物語。魂に響くラスト21分—— 俺たちは永遠になる。
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『ボヘミアン・ラプソディ』は、Queen最高のライブの再現・体験映画である

見て思った一番の感想が、ラストのライブシーンがとにかく素晴らしい、ということだった。
正直に言うと、ラストまでの展開はメンバー間の軋轢や障害となる出来事が少々単純に描写されていたり、エピソードが寄せ集めになっている感があった。これは事実に基づいているのか?と疑問に思う箇所もいくつかあった。

だが、そういったことがどうでもよくなるくらい最後のライブシーンが染みた。それは、Queenの有名曲の背景、マーキュリーの置かれた状況をエピソードを通して順を追って知ることでQueenの曲を受け取る下地ができたからであるし、現代の最新の技術を使って臨場感あふれる再現映像が撮影されたからでもある。演者の綿密な研究と素晴らしい演技力によって、Queenがとりついたかのような演技がされたからでもある。とにかく、映画の中の要素要素が、最後のライブの臨場感を盛り立てていた。おおよそ20分ほど演奏が続いたのだが、1分1秒が惜しく、終わってほしくなかった。まさに大好きなライブを見ているときの感覚である。大げさかもしれないが、このライブ当時にタイムスリップしたかのようであった。

あのアーティストの歴代最高のライブは〇〇、映像で見ても素晴らしい、と言われても、その当時に生まれていなかったり、その時には知らなかった人が映像を見ても、同じように体感することはできないだろう。昔から知る人たちは、自分の頭の中にある当時の記憶を通して映像を見、僕たち知らない人たちはただ映像を見るのだから、それは当然である。でも、もしその記憶を頭に植え付けた後で映像を見ることができたらどうだろうか?それをしているのが、この映画のように思う。

映画を見終わってから余韻に浸るためにラストのライブの元ネタの映像を見たが、映画は本当によく再現されていた(ピアノの上に置いてあったペプシの配置まで同じだった)。そしてまた、その映像に感動した。ただ、映画を見ずにこのライブ映像を見ても、きっとこれほどは感動しなかっただろう。映画を見ることで、感覚が見事に変わってしまった。

この映画が合う人/合わない人

端的に言うと、こんな感じである。

合う人:
有名な曲は何曲か知っているけど、深くは知らない
音楽が好き
合わない人:
自伝的映画(マーキュリーやQueenのメンバーの葛藤、苦難などを掘り下げて描写されたもの)として見たい
Queenのファンで、歴史やメンバーのエピソードについて詳しく知っている

Queenの曲はCMにも使われていたので、映画のタイトルでもあるBohemian Rhapsody、We Are the Champions、We will rock youなら、知っている人も多いかと思う。それくらいしか知らなくても、音楽を聞くことが好きなら、ぜひおすすめしたい。Queenを聞くときに今までよりも深く楽しめるし、聞くきっかけにもなる。

一方、合っていないと思われるのは、音楽はそんなに好きではなくて、映画そのものを楽しみたい人かなと思う。ストーリーとしてはある種ありきたりだし、エピソードの誇張もあるかと思う。心情を掘り下げるようなシーンも少ない。また、もともとQueenのファンという人にとっては、いろいろ粗が見つかってしまって心から楽しめないかもしれない。わかりやすいストーリーの流れになっていて、なんとなく知っている浅い層はうまく没入できるが、深く知っている人にとっては合わないのではと感じた。映画.comの評価を見ると、低い評価をつけているのはこの2パターンの人であるように見受けられた。

気になった人は映画館で上映されているうちに見るべき

さて、いろいろ書いたが、一番伝えたいことは「この映画が映画館でやっているうちに見るべき」、ということである。

音楽をメインにした映画なので、音響がいい映画館で見ればより深く味わえるのは間違いない。許されるなら、最後のライブシーンでは声を出しながら見たかったので、応援上映のような発声OKのような公演を見るのもありかもしれない。僕はできれば、もう一度見るとしたらIMAXのような音響が+αされるような公演を見ておきたい。

ネット構文的に言えば、「Queenのライブに行くとしたらチケットが何万円もかかって旅費もかかるが映画は2000円なので実質タダ」というやつである。それに、もうマーキュリーは亡くなっている。こんなチャンスは今しかないので、ぜひ見に行ってほしい。

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